『負け犬の遠吠え』に違和感

『負け犬の遠吠え』というエッセイをご存じでしょうか。

あまりにも有名なエッセイに違和感を感じるのは私だけでしょうか。

 

 

『負け犬の遠吠え』とは

 

『負け犬の遠吠え』は

私も大好きなエッセイストの酒井順子さんの作品で

2003年に講談社から出版されました。

 

『負け犬の遠吠え』は2004年に講談社エッセイ賞受賞を受賞した作品です。

 

「30代以上、未婚、子ナシ」の女性を「負け犬」と定義。

 

作者の酒井順子さん自身が「30代、未婚、子ナシ」だったため、

自虐的に「負け犬」と定義したようです。

 

是非本書をご覧頂きたいのですが、

内容としては、

刺激的なタイトルと裏腹に独身女性にエールを送っている感じが

素敵だと思います。

 

『負け犬の遠吠え』の違和感

 

『負け犬の遠吠え』が出版された当時はまだ20代後半で、

30代以上で、未婚、子ナシは「負け犬」なんだ・・・と

焦りを覚えたことを思い出します。

 

正直言って、

私のまわりの人は

酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』をきちんと

読んでいる人は少なかったような印象です。

 

会社の先輩男性が30代で未婚の女性の先輩の陰口をいうときに、

「だからあいつは「負け犬」なんだよな~」なんて、

きちんと酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』を読んでいれば

言えないようなフレーズをのたまってました。

 

世間では、

「30代以上、未婚、子ナシ」女性=「負け犬」

というフレーズだけが独り歩きしていて、

私には違和感があったのです。

 

今から15年以上前に出版された本ではありますが、

その当時から、20代で結婚して子どもまでいた人は、

私のまわりでは多くはなかったのです。

 

平成30年版 少子化社会対策白書(内閣府)によると、

『負け犬の遠吠え』が出版された2年後の2005年の平均初婚年齢は、

男性29.1歳、女性28.0歳でした。

 

そして、

第1子出生時の母親の平均年齢は29.8歳とほぼ30歳。

 

だから簡単に、

「30代以上、未婚、子ナシ」女性を「負け犬」と

決めてかかる男性からの発言にも違和感がありました。

 

だって、

私のまわりには20代で子どもを産んでいる友人は

半分もいなかったのですから。

 

「よく酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』を読んでから、

発言しろよ」と心の中で舌打ちしてました。

 

またよく読みもしないのに、

女性への陰口に安易に「負け犬」を使うなとも

思っていました。

 

そして、

できれば30代以上の先輩女性に、

自嘲気味に「負け犬」というフレーズを使って欲しくはありませんでした。

 

だって、

30代以上の女性の先輩の中には、

仕事がバリバリできて、

休日には趣味や旅行で活動的で素敵な人が多かったのですから。

 

そんな素敵な女性の先輩たちは、

私のあこがれでした。

 

「無理に結婚しなくてもいいんじゃない?」

 

それが先輩たちの結論です。

 

どうして、「30代以上、未婚、子ナシ」というだけで、

「負け犬」なのでしょうか。

 

平成30年版 少子化社会対策白書(内閣府)では、

2016年の平均初婚年齢は、

男性31.1歳、女性29.4歳。

 

そして、

第1子出産時の母親の平均年齢は、

30.7歳まで上昇しました。

 

もはや「30歳以上、未婚、子ナシ」女性を

「負け犬」とは定義できない時代に突入している感じがします。

 

 

『負け犬の遠吠え』を読んであわてて結婚した人の末路

 

最近は『末路』本が流行してます。

 

そこで、

『負け犬の遠吠え』を読んであわてて結婚した人の末路

について調べてみました。

 

結婚した人の末路は大きく分けて三通りしかありません。

 

一つ目は婚姻の継続、つまり結婚を継続している場合です。

 

二つ目は離婚。

 

そして三つめは死別です。

 

さすがに、『負け犬の遠吠え』を読んであわてて結婚した人の末路ですから、

15年前に20代後半~30代前半の人は、

現在30代~40代。

 

死別は少ないだろうと推測できるので、

離婚した人について調べてみました。

 

10年に1度厚生労働省から報告される人口動態統計特殊報告を見てみましょう。

 

最新版は平成21年度 「離婚に関する統計」の概況です。

 

もう10年も前のものですが、

15年前の『負け犬の遠吠え』の5年後の統計ですから、

20代後半から30代前半であわてて結婚した人の直近の末路を調べることができます。

(実際には、2005年の統計、『負け犬の遠吠え』の2年後が最終調査時)

 

離婚した人の中で、

同居期間5年未満で離婚した人の割合は約33.5パーセント。

この中に『負け犬の遠吠え』を読んで

あわてて結婚した人が混じっている可能性が高いのでは。

 

実際に結婚した人で2005年1年間でどのくらいの人が離婚したのかを調べるために、

年齢階級別有配偶離婚率(1000人中何人が離婚したのかの割合)を見てみます。

 

『負け犬の遠吠え』が出版されて2年後です。

 

25~29歳で結婚していた女性1000人中23.18人が離婚しました。

 

30~34歳で結婚していた女性1000人中15.21人が離婚しました。

 

35~39歳で結婚していた女性1000人中10.78人が離婚しました。

 

これは2005年のたった1年での統計です。

 

実際の累計は分かりませんが、

「負け犬」になりたくなくて、

あわてて結婚して、

やっぱりこの人が運命の人ではなかったと、

離婚した人もかなりいたのではないでしょうか。

 

「30代以上、未婚、子ナシ」の「負け犬」を避けるために

あわてて結婚したけれど・・・

 

離婚して、

場合によってはシングルマザーになって、

がんばって子育てしている人もいるかもしれません。

 

シングルマザーの貧困率が高いことは、

よく報道されています。

 

 

『負け犬の遠吠え』に違和感まとめ

 

・「30代以上、未婚、子ナシ」は「負け犬」ではない

・『負け犬の遠吠え』を読んであわてて結婚したすべての人が幸せとはかぎらない

・『負け犬の遠吠え』が出版されたころ30代前後だった人は、現在45歳~。

 

40代、50代で未婚、子ナシの人は、

けっして「負け犬」ではありません。

 

むしろ、

自分のために時間、お金、エネルギーをすべて使えるため、

自分の人生を十分に楽しめる素晴らしい世代です。

 

ただ、

老後に頼れる子どもや配偶者という身内がいないので、

不安解消のための事前準備が必要です。

 

不安を解消して、

残りの人生を充実して楽しく過ごすための活動を

私は「美的終活」と呼んでいます。

 

美的終活をして、

残りの人生でやり残したことがないように、

たのしく事前準備をしませんか。

 

一般社団法人マイライフ協会

代表理事 児玉浩子