要介護度別の利用できる介護保険サービス

要介護度に応じて利用できる介護保険サービスが異なります。
介護度別の利用できる介護保険サービスについて説明します。
2018年3月時点の法律制度に基づいて説明します。

要介護度(要支援・要介護)で大きく異なる点

認定結果は大きく、
「要支援認定」と「要介護認定」に分かれます。
要支援認定を受けた場合は、
施設サービス(介護保険施設で暮らしてサービスを受ける)を利用できません。
要介護認定を受けた場合は、
施設サービスを利用できます。
ただし、
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)については、原則要介護3以上でなければ利用できません。

要介護度(要支援)で利用できる介護保険サービス

要支援認定

要支援認定とは、
介護までは必要ではないが、いずれ要介護になる可能性が高い状態であるとの判断結果です。
そこで、
要介護にならないように、介護予防サービスが利用できます。
ケアプランは地域包括支援センターが作成します。
介護予防サービスでは、
居宅サービス(在宅で利用するサービス)と市区町村が提供する地域密着型サービスがあります。

要支援認定で利用できる介護保険サービス一覧

要支援認定で利用できるサービスを一覧にまとめました。

居宅サービス

ア.自宅に訪問してもらう介護保険サービス
介護予防訪問入浴介護 自宅浴室での入浴が困難になった人に、介護士と看護師が移動入浴車などで訪問し、浴槽を提供し入浴介助を行う。
介護予防訪問看護 医師の指示を受け看護師が訪問し、医療的処置や病状観察、療養上の身体ケア、相談支援を行う。
介護予防訪問リハビリテーション 医師の指示を受けリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が訪問し、心身機能の維持・向上のためのリハビリを行う。
介護予防居宅療養管理指導 通院が困難な人に対して医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士等が訪問し、療養に必要な管理・指導を行う。
イ.自宅から通う介護保険サービス
介護予防通所リハビリテーション 介護老人保健施設や病院・診療所に日帰りで通い、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護とリハビリを行う。
ウ.短期間施設に泊まる介護保険サービス
介護予防短期入所生活介護 介護老人福祉施設(特養)等の施設に短期間入所して、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護を行う。
介護予防短期入所療養介護 介護老人保健施設等の施設に短期間入所して、医療やリハビリと生活上の介護を行う。
エ.老人ホームなどで受ける介護保険サービス
介護予防特定施設入居者生活介護 自宅ではなく、保険指定を受けた有料ホームなどで介護計画に基づき、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護を行う。介護保険サービス利用費のほかに居住費や食費などが必要。
オ.環境と整えるための介護保険サービス
介護予防福祉用具貸与 特殊寝台や車いすなど福祉用具を貸し出す。
介護予防福祉用具購入 簡易トイレや入浴用いす等の福祉用具を購入した場合、年間10万円を上限に利用者負担分を除いた金額を支給。指定を受けた事業所から購入する必要あり。
介護予防住宅改修 手すりの取り付けや段差解消などの小規模な住宅改修を行った場合、20万円を上限に利用者負担分を除いた金額を支給。事前申請が必要。

地域密着型サービス(市区町村が指定した事業者による介護保険サービス)

※市区町村によりサービス内容が異なります。

介護予防小規模多機能型居宅介護 月額包括報酬。事業所への「通い」、自宅への「訪問」、事業所への「宿泊」を柔軟に組み合わせることが可能。
介護予防認知症対応型通所介護 認知症の診断がある人のみ利用可。定員が最大12名なので、少人数で個別介護が可能。
介護予防認知症対応型共同生活介護 認知症の人が1ユニット9名までの少人数で共同生活をしながら、地域の住民と交流等により、認知症の症状緩和を図る。

要介護度(要介護)で利用できる介護保険サービス

要介護認定

要介護認定とは、介護が必要であるという判断結果です。
居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの全てが利用可能です。
ケアプランはケアマネジャーが作成します。
 

要介護認定で利用できる介護保険サービス一覧

要介護認定で利用できる介護保険サービスを一覧にしました。

居宅サービス

ア.自宅に訪問してもらう介護保険サービス
訪問介護(ホームヘルプ) ヘルパーが訪問し本人のための掃除・買物・調理・洗濯等の家事支援や、排せつ・入浴・食事などの身体介護を行う。
訪問入浴介護 自宅浴室での入浴が困難になった人に、介護士と看護師が移動入浴車などで訪問し、浴槽を提供し入浴介助を行う。
訪問看護 医師の指示を受け看護師が訪問し、医療的処置や病状観察、療養上の身体ケア、相談支援を行う。
訪問リハビリテーション 医師の指示を受けリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が訪問し、心身機能の維持・向上のためのリハビリを行う。
居宅療養管理指導 通院が困難な人に対して医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士等が訪問し、療養に必要な管理・指導を行う。
イ.自宅から通う介護保険サービス
通所介護(デイサービス) 日帰りで施設に通い、食事、入浴、排せつなど生活上の介護や機能訓練を行う。
通所リハビリテーション(デイケア) 介護老人保健施設や病院・診療所に日帰りで通い、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護とリハビリを行う。
ウ.短期間施設に泊まる介護保険サービス
短期入所生活介護(ショートステイ) 介護老人福祉施設(特養)等の施設に短期間入所して、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護を行う。
短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 介護老人保健施設等の施設に短期間入所して、医療やリハビリと生活上の介護を行う。
エ.有料老人ホームなどで受ける介護保険サービス
特定施設入居者生活介護 自宅ではなく、保険指定を受けた有料ホームなどで介護計画に基づき、食事、入浴、排せつなどの生活上の介護を行う。介護保険サービス利用費のほかに居住費や食費などが必要。
オ.環境を整えるための介護保険サービス
福祉用具貸与 特殊寝台や車いすなど福祉用具を貸し出す。
特定福祉用具購入 簡易トイレや入浴用いす等の福祉用具を購入した場合、年間10万円を上限に利用者負担分を除いた金額を支給。指定を受けた事業所から購入する必要あり。
住宅改修 手すりの取り付けや段差解消などの小規模な住宅改修を行った場合、20万円を上限に利用者負担分を除いた金額を支給。事前申請が必要。

施設サービス(介護保険施設に入所する介護保険サービス)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 原則要介護3以上で常に介護を必要とする人が入所する施設。
介護老人保健施設(老健) 病状が安定している人がリハビリに重点をおき一定期間入所する施設。
介護療養型医療施設 ※2022年度末に廃止予定 病状が安定しているが長期的に療養が必要な人が入所する施設。
介護医療院 ※2018年4月より創設 長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者が対象。日常的な医学管理や看取りやターミナルケア等の医療機能と、生活施設としての機能とを兼ね備えた施設。

地域密着型サービス(市区町村が指定した事業者による介護保険サービス)

※市区町村によりサービス内容が異なります。

ア.自宅に訪問してもらう介護保険サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1日複数回の訪問が可能で、24時間365日緊急コールに対応。また、医療への対応も可能。
夜間対応型訪問介護 基本的なサービス時間が夜10時から翌朝6時まで。自宅で急に具合が悪くなったとき等にコールボタンを押すと、すぐにオペレーターが対応。
イ.自宅から通う介護保険サービス
認知症対応型通所介護 認知症の診断がある人のみ利用可。定員が最大12名なので、少人数で個別介護が可能。
地域密着型通所介護 定員が18名以下の小規模なデイサービス。
ウ.グループホームでの介護保険サービス
認知症対応型共同生活介護(高齢者グループホーム) 認知症の人が1ユニット9名までの少人数で共同生活をしながら、地域の住民と交流等により、認知症の症状緩和を図る。
エ.訪問・通い・泊りが組み合わさった介護保険サービス
小規模多機能型居宅介護 月額包括報酬。事業所への「通い」、自宅への「訪問」、事業所への「宿泊」を柔軟に組み合わせることが可能。
オ.定員29人以下の小規模な有料老人ホームに入所して受ける介護保険サービス
地域密着型特定施設入居者生活介護 定員29人以下の小規模で運営される介護付有料老人ホーム等(介護専用型特定施設)。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 定員29人以下の小規模で運営される特別養護老人ホーム

要介護度別の利用できる介護保険サービスまとめ

・要介護度が要支援か要介護かにより、利用できるサービスが異なる。
・要支援では、介護予防サービスが利用できる。
・要支援では、居宅サービスまたは地域密着型サービスが利用できる。
・要介護では、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス全てが利用できる。

一般社団法人マイライフ協会

代表理事 児玉浩子