認知症?病院に行くのを拒否する場合どうする?

社会人になると、仕事などで、なかなか親に会えないものです。
 
たまに会ったときに、ずいぶん年をとったなぁと親に感じる人もいるのではないでしょうか。
 
親の思わぬ言動に、「認知症」では?と不安に感じることもあるでしょう。
 
そんなとき、親を病院に連れていけない場合、どうすればいいのでしょうか。
 

認知症では?と疑う瞬間

 
たまに実家に帰って、玄関に入ったとたん、玄関の汚さに驚いたことはありませんか。
 
廊下に物があふれ、物にはほこりがかぶっている。
 
台所をみると、大量の食器用洗剤が並んでいる。
 
部屋の中に物があふれ、足の踏み場もない。
 
ゴミ出しを忘れたのか、大量のごみが部屋の中にある。
 
洗濯機のまわりには、選択されていない衣類が大量に残されている。
 
親の服装を見ると、汚れた服を着続けている。
 
何かに引っ掛けたのか、服が破れている。
 
同じことを何度も繰り返し話す。
 
会話がうまくかみあわない。
 
など、
久しぶりに実家に帰った子どもが、
親の認知症を疑う瞬間があります。

認知症の疑いのある親が病院の受診を拒否

 
子どもが親の認知症を疑ったときに、たいてい、することがあります。
 
「親父、こんなに部屋を汚して、掃除はどうしたの?掃除できないんだ。
さっきから同じことばかり話しているけど、どうしたの?
これ、認知症じゃない?
病院に行った?行ってないの。
じゃあ、俺連れて行ってやるから、一緒に行こうよ。」
 
こんな風に、病院の診察をすすめることが多いことでしょう。
 
すると、たいてい、
 
「オレがぼけたっていうのか?いい加減にしろ。絶対病院なんかに行かないからな。」
 
親の方は、認知症を認めません。
強制的に病院へ連れて行くことなんかできませんから、結局、親を病院へ連れて行くことができません。
 
部屋をかたずけようとしても、認知症の親が怒り出すので、まったく掃除はできません。
 
お風呂に入るようにすすめても、きいてもらえません。
 
このまま親をほっとくわけにもいかず、子どもは悩むわけです。

認知症の親を医療へつなぐ認知症初期集中支援チーム

では、
親が家から出るのを嫌がり、病院での受診を拒否した場合、どうしたらよいのでしょうか?
 
その場合、
親の住む地域の、地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
 
相談員が、親の状況から認知症の疑いがあると判断した場合、認知症初期集中支援チームの対象として、家に訪問して確認してくれます。
 
認知症初期集中支援チームとは、
国の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)に基づいて、全市区町村に設置されているものです。
医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士などで構成されています。
 
医療機関の受診を拒否して、
自宅に引きこもっている高齢者を訪問し、医療や介護へつなげる役割をになっています。
 
高齢者でなくても、
自分が認知症だといわれたら良い気分はしないものです。
親は病院への受診を拒否することはよくあることです。
 
そのときに、認知症初期集中支援チームの看護師や医師が自宅まできて、対応してもらえると助かります。
 

認知症?病院に行くのを拒否する場合どうする?まとめ


①親が認知症になっていないか、実家に帰ったときによく確認する。


②親が認知症のための受診を拒否するのはよくあること。


③親が病院へ行くのを拒否し続けるなら、認知症初期集中支援チームに相談する。

 
親が認知症になったことを認めることは、子どもにとってつらいことです。
 
ですが、
そのまま放置すると、親自身の生活維持が困難になります。
 
できるだけ早く、対策を立てなければなりません。
 
親自身、認知症になったと認めたくないものです。
 
そこで、
病院への受診を拒否することはよくあることです。
 
その場合には、
地域包括支援センターへ相談しましょう。
 
親の住む家へ認知症初期集中支援チームを派遣してもらえます。
 
親が適切な医療や介護を受けられるようになります。
 
一般社団法人マイライフ協会
代表理事 児玉浩子