年金が少ないとき、子どもは仕送りするべきか?

親の年金が少ないとき、子どもは仕送りすべきでしょうか。
 
かつては親を養うのは子どもの役目でした。
しかし、
現在は、親を養っている子どもは減っています。
ですから、
老後資金は親自身が年金や貯金で準備すべきともいえます。
 
しかし、
老後資金が不足する親がいるのも現実です。
 
親の年金が少ないとき、子どもは仕送りをすべきなのでしょうか。

年金が少ないとき、子どもが仕送りしてもいい場合

 
親の年金が少ないことから、子どもが仕送りすることがあります。
 
このとき、
子どもが親に仕送りしてもいい場合があります。
 
それは、ご想像通り、
子どもの収入や資産が多い場合です。
 
子どもの収入や資産が多ければ、
親へ仕送りしても、子どもの生活への影響は軽微だといえます。
 
子どもの収入や資産が多い場合には、
親へ仕送りしてもいい場合といえます。

年金が少なくても、子どもが仕送りをすべきでない場合

 
親の年金が少なくても、子どもが仕送りすべきでない場合があります。
 
子どもの収入が子どもの生活費ギリギリの場合です。
 
無理に仕送りすると、子どもまで共倒れになります。
 
何とか仕送りして親の少ない年金収入にプラスしてきたとしても、突然のリストラや、子どもの病気で仕事ができなくなったり、子どもが定年退職を迎えて、収入が激減する場合があります。
 
そんな時は、
子どもは親の年金が少ないからといって、仕送りをすべきではありません。
 
まずは、
自身の生活を第一に考え、自分のできる範囲で、仕送りをしましょう。

年金が少ないとき、子どもは仕送りなどの扶養義務がある

 
たしかに、
子どもは親に対して扶養義務があります。
 
しかし、
年金が少ない親への扶養義務は、自分たちの生活を維持した上で、親の面倒をみるだけの余裕がある場合に発生するものです。
 
ですから、
子ども自身の生活を維持するのがやっとで、年金の少ない親への仕送りをすると、生活を維持できないときには、扶養義務は発生しません。

年金が少なく、子どもが仕送りできないときはどうするか?

年金が少ない親の生活保護を申請する

 
親の年金が少ないので仕送りしたいが、子どもの収入では子ども自身が生活するのがやっとで、仕送りすると共倒れになることが分かっているとき、どのような方法があるのでしょうか。
 
親の年金が少ないが、子どもが仕送りできない場合、
子どもは思い詰める前に、親の生活保護の申請をしましょう。
 
生活保護とは、
生活困窮者に対して、その困窮状況により、必要な保護をして、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものです。
 
憲法25条で規定されています。
 

生活保護の申請先

 
生活保護の申請先は、
親の暮らす地方公共団体の福祉事務所です。
 
年金の少ない親自身か、家族が申請します。

生活保護の申請が通った後

年金が少ない親の生活保護の申請が通ると、子どものところに、親への金銭的援助ができないか、問合せがきます。
 
親の面倒を見るだけの経済的余裕がない場合には、きちんと事情を説明しましょう。
 
自分たちの生活を犠牲にしてまで、親の経済的支援をすることは現在では求められていません。
 

生活保護で保障されるもの

まず、
生活保護で保障されるのは、月々の生活費です。
 
つぎに、医療費です。
福祉事務所に相談すれば、
「医療券」が発行され、医療費が免除されます。
 
そして、
介護費用も扶助対象です。
介護の自己負担分を扶助してくれます。
 

年金が少ないとき、子どもは仕送りするべきか?まとめ


①親の年金が少ないとき、子どもに経済的余裕があるときは仕送りしても問題ありません。


②親の年金が少ないとき、子ども自身の生活に余裕がないときには、仕送りすべきではありません。


③親の年金が少ないとき、仕送りできない子どもは、親の生活保護の申請をしましょう。

 
現在でも、
親を養うのは子どもの役割だという高齢者はいます。
 
しかし、現在は、
老後資金の準備は親自身がするものという認識が高まっています。
 
親は年金や預貯金などで、老後準備をするべきです。
 
もし、
親の年金が少なく、預貯金もほとんどないという場合で、
子ども自身が経済的に余裕がある場合には、親へ仕送りしても問題ないでしょう。
 
しかし、もし、
子どもが親へ仕送りすることによって、子ども自身の生活を維持できない場合には、
無理してまで親へ仕送りすべきではありません。
 
親と子どもが共倒れしてしまいます。
 
そこで、
子どもは子ども自身の生活を維持した上で、年金が少ない親については、生活保護の申請をしましょう。
 
一番大切なことは、
子ども自身の生活を維持することです。
 
子どもは自分を犠牲にしてまで、親を扶養する必要はないのですから。
 
一般社団法人マイライフ協会
代表理事 児玉浩子