要介護認定に不満を感じたときはどうするか?

親の要介護認定に不満を感じることがあります。
 
たとえば、
親が、立ち上がりや歩行が不安定で、
排せつ、入浴などに一部、介助が必要になりました。
当然、ひとりで外出するのが難しい状態です。
 
これはだいたい要介護1の状態です。
 
それが、要介護認定では、
より軽い要支援2と判定されました。
 
このように、
親の要介護認定に不満を感じたときに、
どうすればいいのか説明します。
 
 

要介護認定に不満を感じたときには介護保険審査会に申し立てる

 
親の要介護認定に不満を感じたときには、
介護保険審査会に申し立てることができます。
 
介護保険審査会は、
保険者である市区町村が行った
介護保険の保険給付と要介護認定などについての
行政処分に対する不服申立て(審査請求)の
審理・裁決を行う第三者機関として各都道府県に設置さています。
 
審査請求は、
処分があったことを知った翌日から起算して3か月以内に
行う必要があります。
 
親の要介護認定についての審査請求ができるのは、
原則被保険者本人の親ですが、
子どもが親を手伝って、審査請求するのが一般的ではないでしょうか。
 
親の介護保険の要介護認定について審査請求すると、
介護保険審査会で判定が妥当であるかが、
検討されます。
 
審査請求について検討後に介護保険審査会で裁決がされます。
 
裁決が出るまで通常数か月かかります。
 
裁決で市区町村が行った要介護認定が妥当でないと判断されると、
要介護認定をやり直すことになります。
 
しかし、
親の要介護認定が妥当であると判断された場合に、
さらに不服がある場合には、
裁判所に取消訴訟を提起する必要があります。
 
 

要介護認定に不満を感じたときには区分変更の申請をする。

 
親の要介護度の認定に、どう見ても軽いと思える結果が出て、
不満に感じることがあります。
 
介護保険で利用できるサービスの上限金額は、
要介護認定の結果によって決まってしまいます。
 
軽い認定結果が出てしまうと、
親の介護で利用できる介護保険での介護保険サービスが減ってしまいます。
 
そこで、区分変更の申請をします。
 
介護保険審査会への不服申立てでは数か月かかります。
 
それに比べて、
区分変更の手続きは30日くらいで結果が出るので、
介護保険審査会への不服申立てより、
よく使われています。
 
区分変更とは、介護保険認定を受けている人の身体の状態などが変化したときに、要介護度を見直すことをいいます。
 
親の要介護認定後に、
心身の状態がより介護を必要とするようになったものとして、
次の更新を待たずに、
区分変更の申請をします。
 
要介護者である親の再度認定調査を受けます。
 
主治医に意見書の発行をしてもらい、
介護認定審査会を通して、
新たな介護度が決定します。
 
区分変更の認定の有効期間の開始日は、
申請日からです。
 
そこで、申請日から要介護度が上がったものとして、
介護保険での介護サービスを増やすことができます。
 
ただし、
区分変更の介護度の決定が、
希望通りに上がらなかった場合、
増やした介護サービスの利用料は全額自己負担になるので要注意です。
 
 

要介護認定に不満を感じたときはどうするか?まとめ

 
①親の要介護認定が思ったよりも低くて不満を感じることがある。
②親の要介護認定に不満を感じたときは、介護保険審査会に審査請求できる。
③親の要介護認定に不満を感じた時は、区分変更申請ができる。
 
親の要介護度が思ったより低い場合、
介護保険での介護サービスの利用限度額が想定より低くなり、
必要な介護サービスを利用できない場合があります。
 
その場合には、
介護保険審査会に審査請求するか、
区分変更申請をしましょう。
 
たとえば、要介護1だと思っていたのに、
要支援2と要介護度が決定された場合、
区分支給限度額が6万円以上減ってしまいます。
 
1か月6万円分も介護サービスが減ってしまうと、
親の介護をするときに、
必要な介護サービスをすべて受けることは難しくなります。
 
親の要介護認定に不満を持ったときに、
どのようにすればよいのか、
情報をおさえておくのは、
重要ですね。
 
一般社団法人 マイライフ協会
代表理事 児玉浩子