多額の借金が残った妻が相続でとるべき方法

一般社団法人マイライフ協会 代表理事
行政書士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

[講演情報 9/27 13:00-]
老後準備マスター講座

 

夫が亡くなったとき、悲しみに暮れる妻に、1通の内容証明郵便が届きました。

 

その内容は、

夫が多額の借金をしていたので、相続人である妻に夫の借金の返済をせまるものでした。

 

妻は、いったいどうしたらいいのでしょうか。

妻が相続でとれる3つの方法

 

夫に先立たれた妻は相続でとることができる方法は3つしかありません。

 

単純承認、限定承認、そして相続放棄です。

 

それぞれについて説明します。

単純承認とは

単純承認とは、
亡くなった人(被相続人)の財産を、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続することです。

何もしなければ、
単純承認したことになります。

 

特に手続きはありません。

限定承認とは

限定承認とは、
残されたプラスの財産の限度でマイナスの財産を返済する相続です。

プラスの財産がマイナスの財産より多ければ、手元にいくらかの財産が残ります。

しかし、
マイナスの財産がプラスの財産より多ければ、すべてのプラスの財産をマイナスの財産の返済にあてるので、手元に財産は残りません。

亡くなった人(被相続人)がいくらの借金を残したのかはっきりしないが、できるだけ借金は返済したいと相続人が考えた場合にとりうる方法と言えます。

相続開始を知ったときから、3か月以内に、家庭裁判所へ、限定承認申述書と財産目録を提出する必要があります。

また、
限定承認は、すべての相続人が一緒に家庭裁判所へ申立てする必要があります。

相続放棄とは

相続放棄とは、
すべての財産の相続をしないことをいいます。

マイナスの財産ばかりではなく、プラスの財産も相続できません。

相続開始を知ったときから、3か月以内に、家庭裁判所へ、相続放棄申述書を提出する必要があります。

相続放棄は、
相続人が単独でできるので、他の相続人に相談せずにすることができます。

妻が夫の多額の借金を調べる方法

一緒に住んでいた家や、生活費の入った通帳など、プラスの財産は分かりやすいものです。

 

では、
マイナスの財産はどのように調べればよいのでしょうか。

金融機関などの借金や連帯保証の場合

まずは、
家の中に、借金の契約書や返済したときの領収書が残ってないか探します。

銀行、消費者金融、クレジットカードの借金は、信用情報機関に情報照会することでしらべることができます。

たいていの場合、
相続人であれば調べることができるので、夫に先立たれた妻であれば、調べることができます。

 

連帯保証の場合は、
やはり、家の中で、連帯保証契約書などがないか探します。

信用情報機関に情報照会すると、連帯保証人の情報が登録されていることもあります。

しかし、
すべての連帯保証契約が登録されているとは限らないので、相続後に思いがけない請求書が届くことがありえます。

個人的な借金や連帯保証契約の場合

私的な関係にもとづく個人的な借金や連帯保証契約の場合、登録先がありません。

そこで、
家の中に、借用書や連帯保証契約書がないか探します。

探してもない場合、
亡くなった夫は保管していなくても、貸主側に借用書や連帯保証契約書が補完されている場合もありえます。

相続後に、思いがけない請求書が届くこともありえます。

多額の借金が残った妻が相続でとるべき方法

夫が亡くなった後、思いがけず多額の借金の請求書が届いた妻はどうすればよいのでしょうか。

 

プラスの財産をすべて書き出す

まず、プラスの財産をすべて書き出してみましょう。

するとプラスの財産の総額が分かります。

プラスの財産の金額は、マイナスの財産の返済の原資となるものです。

マイナスの財産を探し出して、書き出す

次に、
すべてのマイナスの財産を探します。

すでに説明したように、
すべてのマイナスの財産の把握は難しい場合があります。

わかる範囲でマイナスの財産を書き出します。

プラスの財産とマイナスの財産を比較する

プラスの財産とマイナスの財産を比較して、どちらが多いか比較します。

プラスの財産が多い場合には、

プラスの財産の範囲でのみ、マイナスの財産を返済できる限定承認が相続で利用できます。

 

マイナスの財産とプラスの財産が同等の場合は、要注意です。

すでに述べた通り、
マイナスの財産をすべて把握できておらず、将来的に、思いがけない請求書が届く可能性があります。

そのこともふまえ、
限定承認または相続放棄を相続では選択します。

 

明らかにマイナスの財産が多い場合には、相続放棄すればマイナスの財産である借金の返済は不要となります。

 

夫に先立たれた妻は、夫の多額の借金の返済をしないで済ますために、相続後3か月以内に、プラスの財産とマイナスの財産を調べ上げ、限定承認または相続放棄を家庭裁判所へ申立てることになります。

多額の借金が残った妻が相続でとるべき方法まとめ


①夫が亡くなったときに、妻はプラスの財産とマイナスの財産をしらべます。


②プラスの財産とマイナスの財産を比較します。


③マイナスの財産が多い時には、妻は、相続放棄をすれば借金の返済をする必要がありません。

 

夫が亡くなったばかりで、妻は気が動転しているかもしれません。

しかし、
限定承認と相続放棄は、相続人が相続の開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申立てしなければなりません。

 

そのため、
夫が亡くなったら、すぐにプラスの財産とマイナスの財産の調査を開始しましょう。

マイナスの財産が多いようであれば、限定承認か相続放棄により、妻は夫の残した多額の借金の返済をしなくてもすむことになります。

 

早めに、財産を把握することをおススメします。

 

一般社団法人マイライフ協会

代表理事 児玉浩子

 

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