相続人と連絡が取れない場合の手続とは

一般社団法人マイライフ協会 代表理事
行政書士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

[講演情報 9/27 13:00-]
老後準備マスター講座

 

子どもがいない夫婦の場合、

両親が他界していたとすると、相続人は配偶者である夫や妻、そして、兄弟姉妹となります。

 

もし、兄弟姉妹がすでに亡くなっていたとすると、甥(おい)や姪(めい)が相続人になります。

 

夫が亡くなった妻が、夫側の兄弟姉妹と疎遠ということはありうることです。

 

まして、夫側の甥や姪とは連絡先すら交換していないというのはよくあることではないでしょうか。

 

今回は、
夫が亡くなった妻が、他の相続人と連絡がとれず、遺産分割協議ができない場合に取るべき方法をご紹介します。

相続人と連絡を取らざるを得ないとき

夫が妻へすべての財産を残す内容の遺言書を作成したいた場合には、妻は、夫の兄弟姉妹や、甥や姪と連絡を取る必要はありません。

 

遺言書通り、
妻がすべての財産を相続できるため、他の相続人と連絡を取ることなく、預貯金や不動産などのすべての名義変更を妻一人で行うことができるからです。

 

ですが、
夫が遺言書を残していなかったときには、妻一人で財産の名義変更をすることができず、やむをえず、夫の兄弟姉妹や、甥や姪と連絡を取らざるを得なくなります。

 

妻が夫の財産を相続するために、遺産分割協議が必要となるからです。

遺産分割協議をしたいのに、相続人の住所が分からないとき

この場合には、
専門家(弁護士、司法書士、行政書士など)による、相続人調査をする必要があります。

 

詳細については、「親族とは疎遠なおひとりさまが相続人を探す方法」をご覧ください。

相続人調査をしたが、連絡が取れない場合

不在者財産管理人を選出

戸籍を調べたら相続人の存在が判明した。

しかし、
戸籍の附票の住所に手紙を出しても返信がなく連絡がつかない場合など、どうしても相続人と連絡がとれないことがあります。

 

その場合、不在者財産管理人を選出します。

 

不在者財産管理人とは、
行方不明の人に代わって財産を管理する人です。

 

不在者財産管理人は、
家庭裁判所に申立て選任してもらいます。

 

不在者財産管理人は、

財産目録を作成して家庭裁判所に報告書を提出するなど、財産管理を行います。

 

そのため、基本的に遺産分割協議に参加することは出来ません。

 

しかし、
家庭裁判所に「権限外行為の許可」を申請することにより、遺産分割協議を行うことができるようになります。

 

遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書に行方不明の相続人に代わり、

署名押印します。

 

遺産分割協議が終了しても、行方不明の相続人が現れるまで、不在者財産管理人は相続財産の管理を引き続き行います。

失踪宣告の申立て

相続人となる人が家を出て、何年も消息不明である場合もあります。

 

また、

地震や大雨などの災害で行方不明となっていることもあり得ます。

 

その場合には、失踪宣告の申立てを行います。

 

失踪宣告とは、
行方不明の場合には行方不明となってから7年間、災害などの危難から1年間生死が不明の場合、失踪宣告によって、死亡したとみなされることをいいます。

失踪宣告の手続き

利害関係人が相続人の住所地を管轄する家庭裁判所への申立てることで行います。

 

通常、失踪宣告の申立てから失踪宣告まで1年以上かかります。

失踪宣告後に、失踪者である相続人が現れた場合

失踪宣告後に、失踪者である相続人が現れ、失踪宣告が取り消されることがあります。

 

失踪宣告が取り消されると、相続人の相続関係の権利も復活します。

 

かりに、

失踪者以外の相続人で、遺産分割協議を行い、財産の分配を終えていたとしましょう。

 

相続人が生きていることを他の相続人が知らないで遺産分割協議を行った場合、

 

失踪宣告が取り消されたとしても、遺産分割協議は無効にはなりません。

 

しかし、

受け取った遺産が残っていれば、失踪宣告が取り消された相続人に、遺産を返還する必要があります。

相続人と連絡が取れない場合の手続とはまとめ

 

残された妻が遺産分割協議をするときに、他の相続人と連絡を取る必要がある。
②相続人の連絡先が分からない場合には、専門家に相続人調査を依頼する必要がある。
③どうしても他の相続人と連絡がとれないときには、不在者財産管理人を選任するか、相続人の失踪宣告の申立てが必要になる。

 

遺産分割協議にはすべての相続人の参加が必要です。

 

そして、遺産分割協議書にはすべての相続人の署名押印が必要となります。

 

そこで、どうしても他の相続人と連絡のとれない場合には、

家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任の申立てをしましょう。

 

不在者財産管理人と遺産分割協議をする場合には、

連絡のとれない相続人の相続分は法定相続分と同等にする必要があります。

 

もし、連絡の取れない相続人に財産を渡したくない場合には、

連絡の取れない相続人の失踪宣告の申立てをします。

 

失踪宣告後に、遺産分割協議を他の相続人と行い、

連絡の取れない相続人には相続財産が無いように、

遺産分割協議書を作成すればよいのです。

 

しかし、失踪宣告後に、

連絡が取れなかった相続人が現れることがあり得ます。

 

この場合には、残った財産の中から、

現れた相続人へ、遺産を渡す必要があります。

 

一般社団法人マイライフ協会

代表理事 児玉浩子

 

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