終活のための正しいエンディングノート活用法

子どもと別居する親は、
終活のためにどのようにエンディングノートを活用すればよいのでしょうか。
 
「平成28年版高齢社会白書(内閣府)」では、高齢者の単独世帯と夫婦のみの世帯の合計は、2014年(平成26年)には、55.4パーセントと過半数を超えています。
 
今では、
子どもと別居する親が多数を占めているといえます。
 
そこで、
子どもと別居する親のための正しいエンディングノート活用法を解説します。
 

終活のためのエンディングノートとは

 
現在では、
終活のためにエンディングノートを作成する高齢者は多くなりました。
 
手軽に自分で作成できる点が、活用しやすいのかもしれません。
 
 
一般的にエンディングノートとは、
当初は高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノートのことを意味していたようです。
 
しかし、
現在の終活のためのエンディングノートには、死亡時に備える内容ばかりではなく、より多くの項目があることが多いようです。
 
 
例えば、
 
・介護が必要となったときに、どのような介護を受けたいのか。
・終末期を迎えた時に、延命治療を望むのか。
 
このように、
高齢者の意思を確認する項目もあります。
 
現在の終活のためのエンディングノートは、死に備えるばかりではなく、老後の生活についての希望を事前に意思表示するものでもあります。
 

終活のためのエンディングノートの種類

 
終活フェアでは、
エンディングノートの作成方法のセミナーが開催されることが多いようです。
 
エンディングノートは書店や文具店をご覧になるとお分かりのように、現在多くの種類が販売されています。
 
また、インターネット上では、
多くの地方公共団体や様々な団体のホームページ上から無料でダウンロードすることもできます。
 
エンディングノートを比較して頂くとお分かりのように、作成者により内容が異なっています。
 
ご自身の終活のために必要な内容が記載されているエンディングノートをお探しになることをお勧めします。
 

終活のためのエンディングノートで必要な項目

 
様々な種類の終活のためのエンディングノートがありますが、必ず必要と思われる項目を挙げておきます。
 

自分の基本情報

 
エンディングノートを活用する本人の住所、氏名、血液型、病歴、緊急連絡先、保険証や年金などの基本情報が書き込めるもの。
 
本人が万が一倒れた場合に他人が見てすぐ理解できるように、緊急事態ですぐ必要になる情報が一元化して整理できるものである必要があります。
 

入院や介護が必要となったときの意思表示

 
高齢になれば入院や介護が必要となることも多くなります。
 
そこで、
エンディングノートには、病気や介護が必要となったときの意思表示が書き込めるものがお勧めです。
 
介護の場合では、
できる限り在宅介護が希望なのか、施設介護が希望か、希望の介護施設などの意思表示が書き込めるもの。
 
病気の場合には、
延命治療の希望の有無や余命の告知の希望などが書き込めるものがお勧めです。
 
子どもにとって、
介護や延命治療についての判断は精神的に大きな負担となります。
 
そのときに、本人の意思表示があれば、判断の負担を軽減できます。
 

現在所有している財産

 
離れて暮らしている子どもが親の財産関係を把握していることは少ないのではないでしょうか。
 
そこで、
現在所有している財産関係について書き込めるエンディングノートがお勧めです。
 
具体的には、
不動産、株式、保険、個人年金、自動車などについて整理できるものがお勧めです。
 

現在の契約関係

 
もし高齢者本人が倒れた場合などに、子どもが親の契約関係が分かるように記載できるエンディングノートがお勧めです。
 
具体的には、
電気、ガス、水道、携帯電話、習い事など、現在の契約関係を記載しておきます。
 

葬儀・埋葬の希望

 
葬儀・埋葬が済み、子ども達が遺品整理をしていたら、葬儀・埋葬の契約書がタンスから出てきたなんて話をきいたことがあります。
 
このように、
高齢者本人が葬儀・埋葬の契約をしていたとしても、子どもが把握していない場合には、履行されない場合がありえます。
 
 
そこで、
葬儀・埋葬の希望や、契約しているのであれば契約した葬儀社や墓地などの連絡先を記載できるエンディングノートがお勧めです。
 
また、
葬儀に誰を呼んで欲しいのか、亡くなったことを知らせる友人などのリストもあると便利です。
 

遺言・形見分け

 
子ども達にどのように残った財産をわけてほしいか、形見分けでどの品を誰に渡してほしいか記載できるエンディングノートがお勧めです。
 

終活のためにエンディングノートを活用する3つの利点

 

エンディングノート作成により考えを整理できる

 
普段は、
自分に万が一のことが起こることなど、考えないようにしているものです。
 
ところが、
エンディングノートを作成することにより、自分に起こりうる病気や介護の場合や死について考えざるを得なくなります。
 
自分が亡くなった場合に、
子どもなどにできるだけ負担をかけないように、財産や契約関係、葬儀・埋葬などについてエンディングノートに記入することにより、自分の考えを整理することができます。
 

エンディングノート作成により万が一のときに自分も子どもも助かる

 
自分が病気で突然倒れたり、急に介護が必要となる場合があります。
 
このとき、
エンディングノートを作成しておくことにより、契約関係や財産関係について子どもがすぐに現状を把握することができます。
 

エンディングノート作成により自分の意思表示を子どもに伝えることができる

 
介護や延命治療、財産の分配や形見分けなどについての自分の意思表示を子どもに伝えることができます。
 

多くの人が知らない終活のためのエンディングノート活用3つの誤解

 

エンディングノート上の遺言や形見分けの意思表示は遺言書とは異なる

 
エンディングノートに遺言や形見分けなどについての希望を書いて安心してしまう人もいますが、エンディングノート上の意思表示は遺言書とは異なり、法的拘束力がありません。
 
そこで、
子どもがエンディングノート上の意思表示とは異なる遺産分割を行うこともあり得ます。
 

エンディングノート上の延命治療の希望が履行されない場合もある

 
エンディングノート上に延命治療不要と書いてあっても、子どもの希望により、医療機関では延命治療を行う可能性があります。
 

エンディングノート上の介護の希望が履行されない場合もある

 
在宅介護が希望であると本人がエンディングノート上に記載しても、子どもの都合により、施設介護になったり、本人の希望通りにはならない可能性もあり得ます。
 

終活のための正しいエンディングノート活用法

 
上述した「多くの人が知らない終活のためのエンディングノート活用3つの誤解」にも書きましたが、エンディングノートを作成しても、子どもが本人の希望通りに行動してくれない場合がありえます。
 
そこで、
エンディングノートを作成したら、子どもが集まる正月やお盆などの機会を利用して、自分の意思を伝えることをお勧めします。
 
子どもに、
エンディングノート上に記載した内容について説明し、理解してもらう努力が必要です。
 
エンディングノートの保管場所についても伝えておくことがお勧めです。
 

「子どもと別居する親の終活のための正しいエンディングノート活用法」まとめ

 
・エンディングノートを作成することにより、終活に対する自分の考えを整理できます。
 
・万が一の場合に財産関係や契約関係について伝えることができ、自分も子どもなどの親族も助かります。
 
・終活のためにエンディングノートを作成しても遺言書のように法的拘束力はなく、あくまで高齢者本人の意思を確認するためのものにすぎず、希望通り履行されない場合があります。
 
・普段から、子どもとコミュニケーションを図り、自分の希望を理解してもらう努力が必要です。
 
・エンディングノートの保管場所もきちんと子どもに伝えておきましょう。
 
 
一般社団法人マイライフ協会
代表理事 児玉浩子
 

 


 
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児玉浩子
セミナー講師 : 児玉浩子(こだまひろこ)

  • 一般社団法人マイライフ協会 代表理事
    (高齢者支援の団体)
  • 行政書士
  • AFP(ファイナンシャルプランナー)
  • 大東文化大学大学院法務研究科修了

講演活動を通し、
累計1,200人の方に、老後の生活に必要な法律制度等を解説。
 
個別相談の依頼は、
30代~80代までと年代を問わず幅広く、300人以上の実績を持つ。
 
精力的に活動する中、ほとんどの方が、老後に必要な法律制度等を知らないことを実感。より多くの方に老後の現実を知ってもらうため、事前に老後の準備をしてもらうため、「99パーセントの人が知らない老後の安心をデザインする方法」を出版。
 
本書は、
読売新聞朝刊「安心の設計」や、産経新聞終活読本「ソナエ」等で紹介されている。
 
一般社団法人マイライフ協会代表理事 児玉浩子自ら、日々、個別相談の依頼に懇切丁寧に対応。法律に則った制度を活用し、高齢者の老後の生活支援に努めている。
 
児玉浩子
 

参加者様のお声

O.M.さん
 
O.M.さん(70代)

家族に頼らないで老後の準備ができると知りました

独立した子ども達には頼らずに老後を過ごしたいと考えて、いろいろなセミナーに参加しています。今回のマイライフセミナーには妻と一緒に参加しました。他のセミナーでは聞いたことがない、初めての情報を多く聞けました。法律や制度を分かりやすく解説してくれて良かったです。今後妻と二人でじっくり相談したいと思います。

 
M.T.さん
 
M.T.さん(50代)

頼れる身内がいない友人たちにすすめたいです

ひとりで抱えていた漠然とした不安を解消できる方法を知ることができました。親を見送り、兄弟姉妹、子どものいない友人たちにすすめたいです。家族関係で悩んでいる友人にもすすめたいです。

 
H.A.さん
 
H.A.さん(60代)

どのような老後準備が必要か、是非知っておくべき情報です!

独立した子どもには頼りたくないと考えています。マイライフセミナーに参加して、子どもに頼らないで老後を過ごすために、自分にとってどのような準備が必要か理解できました。法律や制度の解説が分かりやすかったです。エンディングノートの正しい使い方が理解できました。

 
Aさん69歳女性

Aさん(69歳女性) 

老後に必要な法律や制度を利用して準備できると知りました

結婚せずに定年まで働きました。数年前に母を看取り、一人暮らしとなりました。子どもがいないため、老後に頼れる人がおらず、不安に感じておりました。
独身の友人たちと困ったときには助け合う口約束をしてはおりますが、皆私と同じくらいの年齢のため、本当に頼りになるのか不安でもありました。
マイライフ協会のセミナーで法律や制度を利用して、事前に老後の準備ができることが分かり、安心しました。

 
Bさん(74歳男性)

Bさん(74歳男性)

ご相談にのって頂き不安がなくなりました

30代の一人息子が結婚し、自宅を出て、嫁の実家の近くに住むことになりました。
息子からは、「老後の面倒はみてあげられないかもしれない。自分たちで何とかして欲しい。」と言われ、妻と二人でマイライフ協会のセミナーに参加しました。
マイライフ協会のセミナーで法律や制度を利用して、自分たちの老後に備えることができると分かり、安心できました。

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