平均寿命と健康寿命の違い
ニュースでよく、
平均寿命や健康寿命について聞くようになりました。
最近では、
人生90年時代とも、人生100年時代ともいわれるようになりました。
寿命が延びて、長い人生を楽しくすごせるのであれば、とても素晴らしいことです。
では、老後の生活では実際はどうでしょうか?
100歳以上まで生きられるの?
1963年(昭和38年)には、100歳以上の高齢者は153人でした。
それから毎年増え続けています。
そして、
2017年9月15日、敬老の日に合わせて厚生労働省が発表した100歳以上の高齢者は全国に6万7824人となりました。
100歳以上の高齢者にしめる女性の割合は8割以上です。
100歳以上の高齢者が増えている現状から、自分が100歳以上まで生きる可能性もありえます。
平均寿命
平均寿命というと、
まるで「実際に亡くなった時の年齢の平均」のようにきこえますが、
実は違います。
平均寿命とは、
その年に生まれた0歳の赤ちゃんが、今の死亡率と変わらないと仮定した場合に、平均的に生きられるであろう年齢のことをいいます。
ですから、
現在0歳でない人が実際に生きられるであろう年齢ではありません。
0歳でない人が実際に生きられるであろう年齢を知りたければ、その年の平均余命を見る必要があります。
たとえば、
65歳の人の平均余命が20年であれば、65歳の人は85歳まで生きられそうだということが分かります。
65歳平均余命(年)=65歳平均自立期間(年)+65歳平均障害期間(年)
健康寿命
健康寿命というと、
まるで現在の高齢者が健康で過ごすことができる年齢を表しているようにきこえます。
しかし、実は違います。
実際には、
こちらもその年に生まれた0歳の赤ちゃんが、今の生活状態と変わらないと仮定した場合に、平均的に元気に自立して生きられるであろう年齢のことをいいます。
ですから、現在0歳でない人が実際に自立して生きられるであろう年齢ではありません。
0歳でない人が実際に元気に自立して生きられるであろう年齢を知りたければ、
その年の平均自立期間(年)を調べることになります。
例えば65歳の人の場合は、以下の通りです。
65歳健康寿命(歳)=65歳+65歳平均自立期間(年)
平均寿命と健康寿命の差
2018年3月9日の厚生労働省の発表では、2016年の男女ともに健康寿命がのびたそうです。
今までの説明でお分かりのように、これは、あくまで2016年に生まれた0歳の赤ちゃんの健康寿命が延びたということです。
ですが、
重要なことは、平均寿命と健康寿命に差があるということです。
平均寿命と健康寿命の差は、介護などが必要となる期間です。
この期間は男性8.84年、女性12.35年とのことです。
現在の高齢者の実際については、その年の平均自立期間(年)を調べる必要があります。
しかし、
だいたい亡くなる前の10年前後は自立して老後の生活を送ることができない期間ということは分かります。
各自健康に留意して、老後の自立して生活できる期間をのばせるといいですね。
平均寿命と健康寿命の違いまとめ
①平均寿命は、その年に生まれた0歳の赤ちゃんが生きられる年齢のこと。
②健康寿命は、その年に生まれた0歳時の赤ちゃんが自立して生活できる年齢のこと。
③平均寿命と健康寿命の差は、介護などが必要となる期間。
実際に生きられるであろう年齢をしりたければ、その年の自分の年齢の平均余命を調べる必要があります。
それは、
その年に発表される平均寿命とは異なります。
また、
実際に健康に自立して生活できるであろう年齢を知りたければ、その年の自分の年齢の平均自立期間(年)を調べる必要があります。
平均寿命と健康寿命の差が10年前後あるので、どのように生活するか検討しておけるといいですね。
子どもがいれば、子どもが頼れるのか、頼れないのか。
頼れない場合には、どのように過ごすのか。
子どもがいない場合には、誰か頼れる人を見つけておく必要もあります。
元気なうちに、介護が必要となったときに、頼れる相手をみつけておけば、安心です。
一般社団法人マイライフ協会
代表理事 児玉浩子