無意味にならないための新しい終活とは?

今も昔も変わらず、ある年代になってくると自分の最後の時のことを考え始めるのは、自然なことなのかもしれません。
 
ある時期がくると、遺言状を書いたり、身辺整理を始めたり、心の中や身の周りをキレイに片づけておきたいと思う人は多いようです。いざという時のために、資産配分や葬儀の準備をしておくことを終活と呼び、ここ数年は特に話題になっています。
 
だけど、最近では終活という言葉も、今までとはちょっと違う新しい意味をもちはじめています。そこで、今回はちょっと違った観点からの新しい終活方法をご紹介したいと思います。
 

終活という言葉をよく聞くけれど、何をすることなのでしょうか

 
現代の人たちは年齢を問わず、自立心も強く、自分らしい人生を重視する傾向にあります。自分のことは自分でやりたい、自分らしく生きていきたいと思うのは若い世代だけではありません。そんな現代の人々を象徴するかのごとく、この終活というものが注目されるようになりました。
 
「立つ鳥、跡を濁さず」または、「終わりよければすべてよし」などと言われるように、最後をどのように締めくくるかによって人生すべてが良くも悪くもなるという考え方から始まったようです。
 

これまでの終活の大まかな種類

 
これまでの終活の内容として以下の3つが挙げられます。
 
・身辺整理をする(身の回りを整理し、いざという時のために備える)
・残ってしまうものについて考える(資産や家財、親族、ペットなど)
・最後の日について考える(葬儀、埋葬方法など)
 
これまでは、自分らしく自分の人生の幕をおろすための準備が終活の主なものでそれぞれ、その人の望む形で人生を終わらせるためのものでした。
 
しかし、新しい終活というのは、そのような準備をしながらも新しい生き方を探すということなのかもしれません。いままでとは違ったこれからの人生を歩み出すということともいえます。それが新しい終活として、最近では注目を浴び始めています。
 
新しい終活とは、第2の人生に向けて満足のいく、納得できる、後悔しない人生を送るために行うものなのです。
 

第2の人生としての終活は必要なのでしょうか

 
おそらく、10代の時には、人生の終わりのことを考える人はほとんどいないでしょう。終活は、10代の時には必要ありません。まだまだ、残された時間はたっぷりとあるからです。
 
人間が年齢を重ねて年老いて、いつか最期の時を迎えることは自然の摂理です。命あるものすべて、いつかは終わりを迎えてしまいます。
 
50代、60代を迎えると多くの方が、もう若くはないのだと意識し始めます。もちろん、まだまだ若くて元気な方もたくさんいらっしゃいますが、心のどこかで残りの人生について考え始めるのも確かです。
 
残りの人生が少なくなってきたからこそやりたいこと、やっておきたいこと、始めてみたいことが出てくるものです。
 
だからこそ、残りの人生をどのように生きていきたいのかを考える終活は、最期の日を意識する年代にとっては必要なのではないでしょうか。
 

これからの人生を考えてみる

 
いつかは終わるということを前向きに受け止めることで、毎日の生活が大きく変わってくるものだと終活を始めた方は言います。直接お会いしたことはないのですが、以前聞いた話です。そのようなこともあるものなのかと、驚いたことを覚えています。
 
68歳で終活を始めた女性の話を参考にしたいと思います。
 
その方は、49歳の時にご主人と離婚したそうです。20年近くは、ほとんど会うことも話すこともなかったそうです。子供さん達も大きくなって、それぞれ別の家庭を築き、お孫さんもできて一安心だと思ったある日、ふと今後の自分の人生を考え始めたとのことです。
 
そこで、これから70代、80代を迎えるにあたって、今のうちにできる何か新しいことを始めたいと考えられたそうです。ご自分のこれからの人生を意味のあるものにしたいとの理由でパソコン教室に通うことにされたそうです。
 
ところが、パソコン教室に通い始めて5か月後くらいたった時に、神さまのめぐりあわせか、別れたご主人がそのパソコン教室に現れたとのことです。
 
驚いたその方は、これも何かの縁と解釈し、昔のことは水に流して元のご主人とお付き合いを再開されたとのことです。定期的に2人で一緒に食事をしたり、子供さん達を訪ねてみたりして子供さん達もとても喜ばれたとの事だそうです。
 

終活をすることで人生が変わる

 
終活を始めてみると自分の人生を大切に考えるようになるそうです。これまで当たり前に見ていたものが、違ったように見えてくるといいます。離婚したご主人と再会された方のように新しい思いがけない出会いもあるかもしれません。
 
身内への対応、友達への対応、近所の人への対応も一期一会の気持ちで接することができるようになったという方もいます。そうすることで、周りとの人間関係も心地よいものへと変わっていきます。
 
これまでの行いを反省する意味でチャリティや奉仕活動に励む方もいます。また、自分へのごほうびとして、旅行を計画したり、ちょっと高価なお買い物を楽しんだりする方もいます。そんな方たちは、40代、50代であるかのように若く、とても生き生きと輝いています。
 

終活の問題点

 
終活において重要な問題点は、どのような気持ちで終活を行うかということです。どうせ年をとっていくのだから自分の人生はどうでもいいと思われる方も中にはいます。いまさら、何をしても無駄だと言われる方もいます。
 
決してそんなふうに思わないで、終活にのぞんで頂けたらと思うのです。年はとっていくけれど、じゃあ自分には今から何ができるだろうか、これが終活の考え方なのです。自分は何をしたいのだろうかと問いかけてみることが大切です。
 
これからの人生を自分らしく生きていきたいと願い計画をたてる、これが終活の新しい考え方なのです。まずは、自分に問いかけて考えることから終活の第1歩を始めてみてはいかがでしょうか。
 

無意味にならないための新しい終活とは?まとめ

 
①あなたにとっての新しい終活を、探してみましょう。
②残された時間にできること、やりたいことを見つけましょう。
③終活をすることで第2の人生を満足するものにできるます。
 
最後の時を意識することは、今という時間を大切にすることにもなるのです。終活を始めることで今日や明日がこれまでとは違ったものになれば嬉しいですね。
 
最終的に人生の勝者になるか敗者になるかは、これからの生き方次第です。自分の人生を最後まであなたらしい色で彩っていけたら素敵ですね。いい人生だった、幸せだった、私らしい人生だったと思えるようにしたいものです。
 
幸せの形や自分らしさは、人それぞれです。終活は、誰かのためにするものではなく、自分のためにするものなのです。これからの残された人生を納得のいく、満足のいくものにするのはあなた自身なのです。
満足のいく終活のための準備については、「終活の準備は何をするの?」 「終活はなぜ必要なのでしょうか?」をご覧ください。

一般社団法人マイライフ協会

代表理事 児玉浩子