美的終活で、延命治療が必要か?

一般的に、
終活でのエンディングノートの作成では、延命治療の有無について記載するようにすすめられます。
 
ですがそれは、
あなたの美的感覚からいって、記載したいことでしょうか。
 
美的終活で延命治療が必要か考えてみましょう。
 

美的終活での延命治療の基準

 
美的終活において遺言書について考える前に、美的終活という言葉をご存知ですか。
 
たぶんご存じないと思います。
 
なぜならば、
 
「美的終活」という言葉は、私が作った造語だからです。
 
「有終の美を飾るための活動」=「美的終活」
 
有終の美を飾るという目的のための活動が「美的終活」。
 
有終の美を飾る自分のための活動ですから、自分の好き嫌いという美的感覚で進めることのできる「美的終活」。
 
有終の美とは、
終わりを立派にしめくくること。
 
どのようなことを立派と考えるかは人それぞれの美的感覚によります。
 
そこで、
美的終活における延命治療についても、自分の美的感覚で判断します。
 
ですから、
自分自身の心にきいてみて、自分の美的感覚からできるだけ長生きに重点を置ているのであれば、最大限延命治療を望めば良いのです。
 

美的終活で、延命治療の意思表示方法

 
もし、美的終活で延命治療について意思表示をしたいときにどのような方法があるのでしょうか。
 

①エンディングノートに記載する

 
もっとも簡単な方法として、
美的終活の一環として、エンディングノートに延命治療についての希望を記載する方法があります。
 
しかし、注意が必要です。
 
 
延命治療をしたいかしたくないかを、あなた自身の美的感覚から判断してエンディングノートに記載しても、エンディングノートの存在自体を誰かに知らせておかなくては、まったく希望通りにならないのです。
 
同様に、
エンディングノートにあなた自身の美的感覚にもとづいて延命治療の希望の有無を記載しても、それを医療関係者へ伝達してくれる人がいなければ、まったく希望通りになりません。
 
家族や親しい友人がいない場合、
あなた自身の美的終活の一環として、延命治療の有無について、どんなことを記載しても、実行に移してもらうのは難しいことでしょう。
 
美的終活の一環として、
延命治療の希望について、エンディングノートに記載しておくことが有効な人は、家族や親しい友人がいて、いざというときに医療関係者へきちんとあなたの希望を伝えてもらえる人だけです。
 
 
もし、
美的終活として延命治療の希望についてエンディングノートを活用しようと考えているのであれば、あなたのまわりの人間関係について一度検討することをおすすめします。
 
せっかく、美的終活の一環として延命治療の有無をエンディングノートに記載しても、実行に移してくれる人がいないのであれば、エンディングノートはあなたにとっては有効ではないということです。
 

②尊厳死宣言公正証書を作成する

 
美的終活の一環として延命治療の有無について表明する方法の一つとして、尊厳死宣言公正証書を作成する方法があります。
 
尊厳死宣言公正証書とは、
延命治療を望まないことおよび尊厳死を希望することを記載した、公正証書です。
 
公正証書なので、
公証役場で公証人に作成してもらいます。
 
 
公証人に作成してもらうので、有料です。
 
 
美的終活の一環として延命治療が不要であることをきちんと表明しておきたい場合に、尊厳死宣言公正証書を作成することは有効です。
 
ただし、
美的終活の一環として延命治療が不要だということを書類にすることはできますが、エンディングノート同様に、実行に移してくれる人の確保が必要です。
 
美的終活として延命治療が不要であることを尊厳死宣言公正証書で表明した後は、家族や親しい友人などに、尊厳死宣言公正証書を託しましょう。
 
 
自分のことで他人に迷惑をかけたくないという人は多いことでしょう。
 
 
しかし、
意識がなくなった後には、最期はどうしても他人に頼らざるを得ません。
 
そのときには、
意思表示できるうちにした、延命治療が不要であるという美的感覚にもとづいた判断を実行に移してくれる他人が必要となります。
 

③事前指示書を作成する

 
美的終活の一環として延命治療の有無の意思表示をするもう一つの方法として、事前指示書を作成する方法があります。
 
事前指示書とは、
万が一自分が意思表示できなくなったときに、終末期の医療行為について希望を書いておくものです。
 
 
特に形式は決まっていません。
 
 
点滴や胃ろうの希望など、
終末期の医療行為についての希望を書くことができます。
 
 
事前指示書への希望の記載についても、あなた自身の美的感覚から選択できます。
 
たとえば、
あなたが、食事がとれなくなっても、無理やりにでも栄養を取り、可能な限り長く生き続けたいという美的感覚の持ち主であるならば、胃ろうをしてもらうことは選択肢として有効です。
 
ただ、
美的終活の一環として延命治療の希望を事前指示書として作成した場合にも、エンディングノートや尊厳死宣言公正証書を作成した場合同様、あなたの希望をかなえてくれる家族や親しい友人などの実行に移してくれる他人が必要です。
 

④何もしないという選択

 
美的終活の一環として延命治療の希望について表明する手段として、何もしないという選択肢もありえます。
 
 
これが一番シンプルで楽な方法です。
 
 
美的終活の一環として延命治療の希望について、この方法を選択した場合、どのようになると思いますか?
 
この場合、
可能な限りあらゆる医療行為で延命治療が行われます。
 
たとえば、あなたの美的感覚から、そこまではしなくてもいいと思うかもしれないくらい、最大限の延命治療が行われます。
 
意識がないベッドに横たわるあなたに対し、たくさんの管がつながれることでしょう。
 
最大限長生きすることが美的感覚からマッチする人にとって、何も事前に延命治療に対する意思表示しないというのは、美的終活の一環として選択肢のひとつです。
 

美的終活で延命治療が必要かまとめ

 
美的終活で延命治療の希望を伝える方法はたくさんあります。
 
最大限医療行為を行ってもらい長生きすることが美的感覚からマッチする人は、特に何の意思表示もいりません。
 
現在の医療現場では、
命を助けることが優先されます。
 
 
そこで、
延命治療の希望の有無がない人は、最大限の延命治療を受けることができます。
 
 
もし、あなた自身の美的感覚からいって、
万が一意識がなくなったときには、延命治療が不要であると考えるのであれば、
 
美的終活の一環として、
エンディングノート、尊厳死宣言公正証書または事前指示書を作成しておきましょう。
 
 
そして一番のポイントは、
 
 
美的終活の一環として、
エンディングノート、尊厳死宣言公正証書または事前指示書の作成後、必ず希望を実行してくれる人を確保しておきましょう。
 
 
一般社団法人 マイライフ協会
代表理事 児玉浩子
 
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