家族を在宅介護する場合にかかる費用

一般社団法人マイライフ協会代表理事 行政書士 ファイナンシャルプランナー(AFP)
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家族を在宅介護する場合には、高齢者施設などの入居費用等はかかりません。

家族を在宅介護する場合にかかる費用について説明します。

2018年3月時点での法律制度に基づいて説明します。

 

1.在宅介護での介護保険サービス利用の費用の利用者負担割合

介護保険サービスを利用したら所得に応じて自己負担割合が決まっています。

介護保険制度では、利用したサービスの費用の1割又は2割の自己負担となります。

※2018年8月から現役並みの所得者は3割の自己負担になる見込みです。

所得等 利用者負担割合
合計所得金額 160万円未満(単身で年金収入のみ280万円未満) 1割負担
合計所得金額 160万円以上、かつ、年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身で280万円以上、夫婦で346万円以上 2割負担

2.在宅介護での介護保険サービス利用の費用の区分支給限度額

要介護度別に介護保険からの支給限度額が「単位」で決められており、その範囲内で利用した分のサービス費用の1割または2割が自己負担となります。

支給限度額を超えてサービスを利用することもできますが、その分は、全額自己負担となります。

住宅改修費と福祉用具購入費については、利用者がいったん費用の全額を事業者に支払い、後日、費用の自己負担分(1割または2割)を除いた残りの金額が払い戻される給付方法(償還払い)と、利用者が費用の自己負担分を事業者に支払う方法(受領委任払い)の2通りの方法があります。

要介護度 区分支給限度額 単位数
要支援1 50,030円 5,003単位
要支援2 104,730円 10,473単位
要介護1 166,920円 16,692単位
要介護2 196,160円 19,616単位
要介護3 269,310円 26,931単位
要介護4 308,060円 30,806単位
要介護5 360,650円 36,065単位
住宅改修費 20万円
福祉用具購入費 年10万円

3.在宅介護で介護保険に含まれない費用

(1)訪問介護・訪問看護など訪問を受けて利用するサービス

訪問介護・訪問看護など訪問を受けて利用するサービスでは、おむつ、石けん、ガーゼなど日常生活に必要な物の購入費は介護保険サービスに含まれず、自己負担となります。

(2)通所介護・通所リハビリステーションなど通って利用するサービス

通所介護・通所リハビリステーションなど通って利用するサービスでは、外出レクリエーションや手芸の材料などの実費、食費は介護保険サービスに含まれず、自己負担となります。

 

4.在宅介護で費用負担を軽減する制度

(1)高額介護サービス費

1か月に支払った介護サービスの利用者負担額が、世帯の上限額を超えた場合、市区町村に申請すれば超えた部分が払い戻される制度です。

区分 負担の月額上限
現役並み所得者のいる世帯 44,400円(世帯)
一般世帯(市区町村民税課税) 44,400円(世帯)
市区町村民税非課税世帯 24,600円(世帯)
市区町村民税非課税世帯(合計所得+課税年金80万円以下又は老齢福祉年金受給者) 24,600円(世帯)
市区町村民税非課税世帯(合計所得+課税年金80万円以下又は老齢福祉年金受給者) 15,000円(個人)
生活保護受給者など 15,000円(個人)

※厚生労働省資料より作成

(2)高額医療・高額介護合算制度

1年間(8月~翌年7月)に介護保険と医療保険のサービスに支払った利用者負担の合計が限度額を超えた場合に、申請すれば超えた分が還付される制度です。

年齢区分 所得等区分 医療保険+介護保険の自己負担限度額
70歳未満 901万円超 212万円
600万円超~901万円以下 141万円
210万円超~600万円以下 67万円
210万円以下 60万円
住民税非課税世帯 34万円
70歳以上

(70歳~74歳は国民健康保険・健康保険、

75歳以上は後期高齢者医療制度)

現役並み所得者※1 67万円
一般 56万円
住民税非課税世帯(低所得2)※2 31万円
住民税非課税世帯(低所得1)※3 19万円

※1現役並み(上位)所得者とは、被保険者証の一部負担金の割合が、3割の人をいいます。

※2被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。

※3被保険者とその扶養家族全ての人の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

 

(3)所得が低くても介護サービスを利用できる制度

①特定入所者介護サービス費

低所得の人が介護施設を利用するときには、所得に応じて費用負担を減額する「特定入所者介護サービス費」があります。

特定入所者介護サービス費は、生活保護世帯など、所得の少ない方に対してショートステイを含む介護保険施設の利用料のうち、居住費と食費の軽減措置が受けられる制度です。

特定入所者介護サービス費用を利用するには、負担限度額認定というものを市区町村に申請し、認定されていることが条件となります。

②生活困難者に対する利用者負担軽減事業

「生活困難者に対する利用者負担軽減事業」とは介護保険サービスの利用者のうち、所得が低く、生計が困難な方の利用者負担額(サービス費の1割負担や食費負担など)の一部を助成するものです。

 

5.家族を在宅介護する場合にかかる費用まとめ

・介護保険サービス利用の費用の利用者負担割合は現在(2018年3月)所得に応じて1割または2割です。

・要介護度に応じて介護保険サービス利用の費用の区分支給限度額が決まっています。

・介護に必要でも介護保険に含まれない費用があるので注意が必要です。

・高額介護サービス費や高額医療・高額介護合算制度など介護費用の負担軽減する制度があるので、当てはまれば申請することがおすすめです。

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